無自覚なまま、愛を蓄えて。
「う、ん。そうだね。……梓くんの後ろに、乗りたい……です」
周りにみんながいることを忘れて思いっきり顔を赤くして返事をしてしまった。
「ありがとう。優星。絶対守り抜くから」
私の返事を聞いて、ほっとしたように息を吐く梓くん。そして、何を思ったのか急に抱きしめてくる。
その事を理解するのに数秒。
「あ、あ、梓くん……!?みんなの前でいったい……!」
「あれほど言ったろ。みんなの前で可愛い顔を見せるなと。少し俺の腕の中で熱を覚ませ」
ドキン、ドキン……。
無理無理無理!そんなの無理だよ!
こんな私の顔みて可愛いなんて言う人いないんだから!
それに、梓くんの腕の中で熱を覚ませって言われても……。逆効果です!!
「わぁーお。完全に2人きりの世界に入っちゃったね」
「……だな。先に準備してるか?」
心臓をバクバクいわせながら流れに身を任せているとみんな部屋から出ていく。