無自覚なまま、愛を蓄えて。
「み、みんないなくなったよ!?」
いつの間にかみんないなくなり、部屋の中で2人きりになる。
静まり返った部屋に、自分の心臓の音が響いていないか心配になるほど静かだった。
「もう少しだけ、このまま……」
「梓くん!?」
私の肩に顔を埋める梓くん。
吐息が肩にかかり、ビクッとなる。突然こんな甘い雰囲気になるなんて聞いてない。
本当に……梓くんは、心臓に悪い人。
「ここ、消えちゃったな」
「ひゃあ!」
ぼーっとしていると、急に私の首元をつついてくる。
そこは確かこの間梓くんにキスマークをつけられた場所……。
「もう1回、俺がつけてやろうか?」
慌てて顔を上げるとにやりと妖艶に笑う梓くん。本気で言ってるのか、からかって言ってるのか分からない声色で、反応に困る。
いや、迷う要素なんて一個もないんだけど……!
「い、いい!遠慮する!彼女でもない人にこんなこと、二度としないようにね!?」