無自覚なまま、愛を蓄えて。
STELLA3

暗闇



2人並んで歩く夜の道。


ROSEのメンバーの後ろを梓くんと歩いていた。バイクを止めている駐輪場は少し離れていると聞いたので、準備をしてから向かっていた。



「「…………」」



2人で歩いているのに、お互い無言で話すことはしなかった。


さっき、部屋であんなことされて正気でいられる自信が無かった。自惚れてしまうほど梓くんからの愛を感じて、勝手に喜んでる私。


梓くんとどう接していいのか分からないまま部屋から出てきてしまった。


前を歩くみんなはとても楽しそうに話してるのに。私と梓くんは、時が止まったかのように静かだった。



「……なぁ」


「は、はい!」



無言で歩いていると突然梓くんに話しかけられる。


心の準備ができないまま声をかけられたので思わず声がひっくり返った。心臓もバクバクと騒がしくなる。



「その……今更だが、本当にバイク、乗っても平気か?」
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