無自覚なまま、愛を蓄えて。
無自覚な愛
……あ、れ……。
私……あれからどうなったんだっけ……?
「おー、メガネとったらかなり美人じゃねーか。こりゃあの冷酷総長も惚れるわけだ」
意識がはっきりとし始めた頃。
誰かの声が聞こえた。だけどまぶたは重たくて上手く動かない。
頭の奥がガンガンと痛くて、思わず眉をひそめた。
「ん?こいつ、起きてんのか?」
……この声、早乙女くんだ。
さっきは誰だかわからなかったけど、ようやく頭の中が鮮明になり、声の主を理解する。
重たかったまぶたも段々と軽くなりそっと開けた。
「起きたな」
「……うっ、……こ、こは?」
ぼんやりとする視界の中、ゆっくりと体を起こす。どうやらどこかに寝かされていたらしい。
「久しぶりだな。優星ちゃん」
「ひっ……!」
キョロキョロと視線を動かしていたら突然誰かの顔がドアップに映る。
その事に驚いて後ずさる。
「そんな驚くなよ。俺とお前、合コンに参加した仲じゃねーか」