無自覚なまま、愛を蓄えて。

ハッとして後ろを振り向くと不機嫌そうな早乙女くんが例の面を持って立っていた。



「俺についてこい。……下手に動いたらタダじゃ済ませねぇからな」


「……う、ん……」



私を睨みつけると、面を被りパーカーの帽子を深く被る。


これがJOKERの戦闘態勢の格好らしい。


早乙女くんの後ろを大人しくついて行くと下には同じ面をつけた不気味な集団が待っていた。


ふと視線だけを窓の外に動かすと、外は少し明るくなっていた。


どうやら夜があけたらしく、朝を迎えようとしていた。



「ROSEは?」


「外にいるみたいで。コイツはどうします?」



早乙女くんは集団の1人に話しかける。


どうやら梓くんたちはもういるらしい。私は今にも走り出しそうになる気持ちを抑えて、耐えた。
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