無自覚なまま、愛を蓄えて。

さっきまでと同じような殺意の籠ったオーラを出している早乙女くんは、本当に梓くん達のことが嫌いなんだと理解した。


そっと視線を奥へ動かすとみんなも後ろで待機していた。


そのことを知って、胸が熱くなる。


ああ、私……こんなにも、みんなに守られているんだ。


みんなに、認められているんだ……。


早乙女くんと話をした時はみんなから……梓くんからの愛に自信がなかったけど、今ならわかる。


私、ちゃんとみんなに思われてるってこと。



「お前らのアジトは、前からわかってたんだよ。うちの天才情報屋の手によってな。ROSEを舐めるんじゃねぇ。ただで強くなってるわけじゃねぇんだよ」


「……なるほどねぇ。副総長が情報を追ってたってことか。やるねぇ」



梓くんと早乙女くんはジリジリと間合いを詰めながら、喧嘩腰に前に出る。


緊張感が半端ないこの空間は、地獄みたいにピン、と空気が張り詰めていた。
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