無自覚なまま、愛を蓄えて。

まさかの行動に私も思わず涙を引っ込めて、行動の行方を見ていた。



「優星!待ってろよ!」



交戦を見ていると梓くんがそんな言葉をかけてくれた。


その言葉が胸にささり私は大きく頷く。


梓くんならきっと私のことを助けてくれる。ROSEのみんなは、大丈夫。


そう思いながら、目をそらさずにしっかりとみんなを見ていた。


ードカッ!バキッ!


鈍い音が建物内に響く。


さすがに人数が多すぎて、この前みたいにはいかなかった。ROSEが人数で負けているせいか、みんなが苦戦している。


JOKERを倒しても倒してもキリがない。


次々とROSEに襲いかかり、みんなの体力を削っていった。


さすがに全国No.1を名乗るだけあって、人数も喧嘩の強いひとも多い。どんな手を使ってでもROSEを潰そうという意志を感じられた。


私は見ていられなくなってモゾモゾと動くけど、ギッチリ拘束されていて体は動かない。
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