無自覚なまま、愛を蓄えて。

「そんなっ……喧嘩で武器を使うなんて卑怯よ!今すぐ梓くんから離れて!」



たまらなくなった私は、気づいたらそう叫んでいた。


私のことを必死で守ろうとしてくれた梓くん。その事に協力してくれたROSEのみんな。


……私のせいで、ごめん……。本当にごめんなさい……。



「喧嘩で武器を使うなだと?……何を今更。これが俺らJOKERのやり方なんだよ。ROSEは綺麗事を守って喧嘩してるみたいだが、俺らは違う。使えるものはなんでも使う」



私の声に反応した早乙女くん。


1部の輪から1人、私の元へと歩いてくると、顎を無理やりあげる。



「……それが、JOKERなんだよ」



人間とは思えないほど低い声でとどめの言葉を発した早乙女くんは何を思ったのか、その場で仮面を剥ぎ取った。
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