無自覚なまま、愛を蓄えて。

そんな姿を見て、優星とこの父親が重なったように見えた。


どんな気持ちを持っていても親子は親子だなぁと少し微笑ましくなった。


……まぁ、今まで優星にしてきたことを思えば許されることでは無いと思うが、きっと心のどこかで優星のことを愛していたのだろう。



「そ、それより優星は今どこだ。お前と一緒じゃないのかよ?」



気持ちを誤魔化すようにそう言った優星の父親。



「優星は……攫われました。暴走族の、JOKERって知ってますか?」


「暴走族?JOKER?なんだ、それ?つーか、さらわれたってなんだよ!?」



事実を伝えただけなのに、また俺に怒鳴りつける。


今ここで怒るのも無理は無いが、感情をむき出しにしても仕方ない。だから、俺はありのままの事実を伝えた。


……優星と、父親の関係を少しでも元通りにしたいと思ったのは、お節介でも、間違い……ではないよな?
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