無自覚なまま、愛を蓄えて。

「俺は、実はROSEという暴走族に入っていて、総長をしています。暴走族同士の争いに優星が巻き込まれてしまって……。すみません、俺がそばにいながらこんなことになってしまいました」



最後まで言い切って、頭を深く下げる。


その間、優星の父親は何も話さない、動きもしない。


……さぁ、ここからどう出るのか。



「……状況は理解した。俺が優星を追い出したからこうなったんだな」


「え？」



まさかの言葉が聞こえてきて、思わず声を出す。まさか、この人から反省の声が出てくるとは思わなかった。


優星が出ていったのに、よっぽど答えたのだろうか。


それとも本当に優星のことを……。



「なんだよ。少しくらい反省してんだ。これでも、父親だからな。後で、優星に謝っとく」


「…………」



そこまで言われるなんて思わなくて。


なんだかもう分からなくなる。


本当に、反省している……。