無自覚なまま、愛を蓄えて。

その暖かさにドキッと心臓が跳ね上がった。


それと同時にお父さんの話も出て、尚更変に心臓が動いていた。



「……優星!優星!無事か!?」


「お父さん!?い、いつの間に……」



ぼーっと梓くんを見ていたら、突然お父さんに名前を呼ばれて体を抱きしめられた。


お父さんから抱きしめられるのなんて久しぶりすぎてその場で固まってしまう。


……お父さん、どうしたの……?



「お、お父さん……その、なんで、ここに、いるんですか?」



お父さんが視界に入り、急に恐怖感に襲われる私。さっきまでは普通に梓くんと話をしていたのに、またお父さんにはいつものように敬語になっていた。


ドキドキから、心臓はドクドクと嫌な音に切り替わっていて。


気持ちと体が追いつかなくなっていた。



「優星が攫われたと東郷くんに聞いて、飛んできた。無事なら、良かった」



東郷くん……やっぱり、梓くんがお父さんを呼んだんだ。
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