無自覚なまま、愛を蓄えて。
見つめ合いながら、ちゃんと話をしている……?
一体、どういうことなのだろうか……?
お父さんと話ができて嬉しいはずなのに頭が上手く回らない。
お父さんとどうやって話をしていたんだっけ?
離れている時間が長すぎて、お父さんとの接し方を忘れてしまった。
「優星。これからは優星の将来とか、今までのことをしっかりと考えながら生きていこうと思ってる。……だから、どうか、私の元へ戻ってきてくれないだろうか?」
私の手を握りながら、肩を震わせている。
突然のことで信じきれない私を目を泳がせる。
「優星。お前の親父さんのこと、信じてやってくれないか?俺は親父さんが更生することを信じられるって思えたよ」
「梓くん……」
どう返事をしようかと考えていると梓くんが私の横でそう言った。
梓くんが、私のお父さんを信じると言っている。この間酷いことをされたばかりなのに。