無自覚なまま、愛を蓄えて。

「そんなに優星ちゃんのことが好きなら告白すれば?」


「は!?」



優星を見て、頬が緩みそうになるのを堪えていると理人があっけらかんと話す。


“告白”という二文字に大きく反応してしまい、俺の声は周りに響いた。


ハッとして口を塞ぐが、周りの生徒はチラチラと俺の方を見る。



「お前、こんなとこでなんて話してんだよ」



たまらなくなった俺は理人を1発殴った。


人の恋愛を面白がりやがって。告白は簡単じゃねぇんだよ。



「いってぇ!お前、本気で殴ったろ!」



見事にグーパンを食らった理人は涙目になりながら俺を睨む。


よっぽど痛かったのだろう。


しばらく涙目だった。
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