無自覚なまま、愛を蓄えて。
今朝も遠くから眺めるだけだったしな。
「えー!じゃあ俺も行く!優星ちゃんのバ先ってカフェなんでしょ?」
どっから情報を仕入れたのか、ちづは自信満々にそう言った。バイトをしてることは言っているが、場所やどこでしているかは言っていない。
知っているのは理人だけなはず。
「お前、なんでそこまで知ってんだよ」
「えー?優星ちゃんから聞いた!カフェでバイトしてるって」
楽しそうに、ニンマリ笑うちづは、俺の反応を見ていた。
滅多に表情を変えない俺を面白がっているらしい。
……というか、いつの間にそんな話してたんだ?
「梓くん、なかなか教えてくれないから直接聞いちゃったよ。連絡先も交換した!ほら!」
「何やってんだ、このバカ!とっとと優星の連絡先消せ!」
ほら、と見せつけるようにスマホを差し出された。その画面には確かに優星の名前があった。
いつの間に連絡先を交換してんだよ。