無自覚なまま、愛を蓄えて。
慌てた俺にちづが着いてくる。
結局こいつも行くのかよ。そう心の中で思ったが口にはしないでおいた。
階段を掛けおり、優星の教室まで向かう。
途中、女子達の変な声が聞こえたがそれは無視。俺は優星以外興味無いからな。
「ちょっと待ってよー」
そんなちづの声も無視して歩いていると、優星の教室が見えた。
そっとドアの方から様子を伺うと友達と楽しそうに話している優星の姿が見えた。
「梓くん、早すぎ……。そんなに優星ちゃんに会いたかったんだ……」
「余計なこと言うとまた殴るぞ」
「わかった。わかったから。梓くん、目が本気で怖い……」
ドア付近でそんな言い争いをしていた。
全く、こいつはほんとに懲りないんだから……。
俺は一応、ROSEの総長だからな?
「……で?優星ちゃんは?」
「いる。まだ準備終わってねぇみたい」
散々俺に怯えた後、教室を覗き見るちづ。