無自覚なまま、愛を蓄えて。
「きゃー!なんでここに冷酷プリンス様が!?」
優星を見ていたら突然廊下から女子の悲鳴が聞こえた。その事にビクッと肩を震わす。
さっきまで静かだったのに急に騒がしくなった。
「やば、近くで見るとさらにイケメン♡」
「ウチのクラスに用かしら?」
……くそっ。やっぱりこうなるのかよ。
数分前までは静かだったのに。というか、静かだったのが不思議なくらい。
このままじゃ、優星に気づかれてしまう。
そう思って恐る恐る教室を見ると、バッチリと優星と目が合った。
「……やべ、優星に気づかれた」
「あちゃー。それじゃあ行くしかないね」
この状況にちづも苦笑い。