無自覚なまま、愛を蓄えて。

「……へぁ!?あ、梓くん?」


「自覚しないと……こうなるぞ?」



俺は無自覚に可愛い優星の頬をそっと撫でると、少し上に持ち上げる。


赤い顔をさらに赤く染め、その反応にもう我慢ならなかった。


俺は自分の顔も近づけ、そっと優星のくちびるに自分のくちびるを近づけた。



「優星。……黙って俺に愛されてろ」


「んっ……!」



ここが学校だということを忘れ、優星の小さな小さなキスを交わした。


お互いのくちびるが重なるのはほんの一瞬で。でも幸せで。


優星への気持ちがむき出しになってしまった。



「……はぁ、梓、くん……も、ダメ……」



俺は懲りずに何度も何度もキスを落とす。


優星がキャパオーバーを迎えた頃。ようやくキスをやめた。


……これで、俺の気持ちはわかったか?



「……優星。待ってるから」



これが俺の今の気持ち。


優星に伝えられる精一杯の、愛情表現だ。
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