無自覚なまま、愛を蓄えて。
「優星ちゃんエプロン似合うね」
「……ありがとう」
緊張しながらテーブルに向かうとちづくんがエプロン姿を褒めてくれた。
だけど愛想笑いしか返せなくて、変になってしまう。
バイト先に来るなら連絡くれても良かったのに。
なんて、心の中でつぶやく。
「ご、ご注文は、お決まりですか?」
噛まないように意識してたのに、思うように口が動かなくて思いっきり噛んでしまった。
ひぇ〜……。
バイトに知り合いがいるというだけでこんなに緊張するんだっけ?
そういえば、前に梓くんが来た時もこんな感じだったもんな……。
「……コーヒー、人数分頼む」
恥ずかしさに視線を下に向けていたら梓くんの声が聞こえた。
「えー、俺コーヒー飲めないんだけど」
「砂糖でも入れろ。優星、コーヒー頼む」
その事にちづくんは文句を言っていたけどお構い無しに注文を続けた。