無自覚なまま、愛を蓄えて。
告白するのはもう少し先なのに。
もう既に緊張しすぎて心臓が爆発しそう。
ぎゅっと目をつむり、梓くんの反応を待つ。その間、ドキドキと自分の心臓の音が凄かった。
「……わかった。待ってる」
「あ、ありがとう!」
断られたらどうしようと考えていたけど梓くんはそうはしなかった。
私の言葉に頷いて、待っててくれると言ってくれた。
「じゃあ外で待ってる。ゆっくりでいいからな」
お釣りを受け取ると私の頭をぽん、と優しく撫でる。
本当はカフェで待っててもらいたかったんだけどそれを言う前に梓くんは出ていってしまった。
後ろ姿を見送り、カフェに残った私は緊張感と不安な気持ちでいっぱいだった。
「優星ちゃん、もう上がっていいわよ」
「え?でも……」
気を紛らわすために残りの仕事をしようとお店に戻る。
だけどマスターに予想外のことを言われてその場に立ち尽くした。
バイトが終わるまでまだ30分以上あるのに。