無自覚なまま、愛を蓄えて。
「優星から誘われたら断る訳にはいかないしな。俺の……大事な人だから」
「……っ」
そ、その不意打ちはずるいって……!
何気ない話をしていたはずなのに突然小っ恥ずかしいことを言われ、顔を熱くする。
おそらく私の顔は、真っ赤。
好きな人だからこそ、ひとつひとつの言葉に反応してしまう。
「なんだ、アイツらも一緒が良かったのか?」
梓くんを見つめたまま黙り込んだ私を見てちょっと不満げにもらしている。
そんなことないと私は頭をブンブンと横にふった。
「あはは、だろうな」
「…………」
その私の反応が面白かったのか梓くんは笑った。そ、そろそろキャパオーバーになりそう……!
ただ話をしているだけなのにもう身が持たない。
公園の中でも人気のないベンチに2人で腰掛けた。
「ここで話をしようか」
梓くんと話をしてる間にいつの間にか公園に入っていた。