無自覚なまま、愛を蓄えて。

梓くんについて行くとベンチに案内され、気づいたら座っていた。



「「…………」」



何から話したらいいかわからなくて無言になるけど梓くんも何も言わない。


もしかしたら私が話そうとしている内容を察しているのかもしれない。


学校では王子様扱いされ、こんなにかっこいい梓くんはきっと告白も慣れているのだろう。



「……俺も優星に話があるんだよね。どっちから話す?」


「へ?梓くんも?」



てっきり話を聞いてくれるだけかと思っていたのに。まさかのカミングアウトに驚く。


梓くんの話ってなんだろう。


そっちも気になるけどまずは私が話をしたい。今の気持ちを伝えられるのは、今だから。



「わ、私……からでも、いいですか?」



じっと見つめてくるけどその視線に耐えながら顔を上げる。


話すことに時間がかかってしまうかもしれない。言葉が上手く出てこないかもしれない。


それでも、聞いてもらえますか……?
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