無自覚なまま、愛を蓄えて。
「私……私!梓くんのことがずっとずっと好きだったの!小さい頃からずっと梓くんに片想いしてました。離れていた時も梓くんのことが忘れられなくて。気持ちが、消えなくて……」
い、言った!
梓くんに、“好き”って言っちゃった!
緊張のあまり少し大きな声が出てしまった。でも、後悔はない。
ちゃんと、自分の気持ちを伝えられた。
「……それ、本当?」
自分の気持ちを伝えて数秘。
黙っていた梓くんが突然顔を上げて私に近づく。
「ほ、本当……です。あ、あの……んっ……!」
顔を真っ赤に染めて、熱くさせて梓くんを見ていたら、突然唇に柔らかいものが当たった。
息をするのも忘れて、目をつむる。
私……梓くんに、キスされてる?
「やっと、やっと優星の気持ちが聞けた。俺は嬉しい」
「はぁ、梓……くん?」
キスをしたのは一瞬だったはずなのになんだか長く感じて。