無自覚なまま、愛を蓄えて。
キャパオーバーを迎えた私は既に酸欠に陥っていた。
「俺も優星のことが好き。優星のことしか考えられないほど愛してる。俺の気持ち、伝わったか?」
「……っ、ほ、本当に……?」
クラクラする頭を抱えながら、梓くんの言った言葉を理解する私は今世界で一番幸せな女の子かもしれません。
こんな私を好きって言ってくれたのは、梓くんが初めてで。
夢なのか現実なのか分からなくなるほど溺れていた。
「何をしても優星には響いていなかったと思っていたが……ちゃんと響いていたんだな」
「な、にそれ。そんなこと考えてたの?私、梓くんにずっと恋してたんだよ。ちゃんと全部心に響いていたよ」
どんなに完璧な王子様な梓くんでもそんなこと考えるんだ。
いつも余裕そうだったから全然想像つかない。
「考えるよ。優星は、俺の初恋の人でもあって、俺の一番大事な人でもあるからな」
ーードキッ。
梓くんの、初恋の人……。