無自覚なまま、愛を蓄えて。
何度も何度も深いキスがくちびるに落とされる。
ちゅ、というリップ音が保健室に響いた。
「優星。優星は可愛いから、もっと自信もっていい。俺は優星のことが好きだから彼氏になった。このこと、忘れるな」
「ん、……んぅ!」
キスの合間にそんなことを言っていたけど私はそれどころじゃなかった。
その言葉を理解出来なくなるほど頭はクラクラして。
梓くんの愛に溢れていた。
「……梓、くん。好き。私のこと、好きになってくれてありがとう」
頭がいっぱいいっぱいになって。
涙目になりながらそう伝えていた。
梓くんがいなかったらこんな幸せな気持ちは知らなかったかもしれない。
私はたくさんの人に愛されていた。
お父さんからも、梓くんからも、ROSEのみんなからも。
そのことを忘れずに、生きていこう。
「……優星、それ俺の事煽ってる?」
「え?ひゃ!」