無自覚なまま、愛を蓄えて。
俺の大事な人にこんな気持ちをさせた早乙女が許せない。後できっちり締めてやる。
「お前、大丈夫か?」
「う、うん……なんとか巻けたけど、今早乙女くんがどこにいるか分からないの……」
「そうか。……それで?優星はなんで早乙女を知ってんだ?なんで追いかけられてる?」
不安そうに俺を見る優星。
俺が優星に質問すると明らかにビクッと震えていた。
……しまった。聞き方間違えたか?
「わ、わりぃ。いきなりこんなこと聞いて」
「大丈夫、だけど……」
そう言って視線を落とす。
大丈夫なら良かったが、なんでそんなに俺の方を見ないのだろう。優星のことだからやましい事などないはず。
「なぁ、優星……」
「そ、そういえば!梓くん、今何時かわかる!?」
優星に話しかけようとすると突然顔を上げて時間を訪ねてきた。その勢いにビックリした俺は自分の腕時計を優星の前に差し出すように見せた。