無自覚なまま、愛を蓄えて。
「「…………」」
さて。これからどうするか。
このまま優星を置いていく訳にも行かないし、行くとしたら俺の家だよな。
また新たな問題が発生して頭を抱える。
早乙女のこともそうだし、優星の親父のことも考えなきゃいけないのか。
「梓くん、私……もう一度お父さんと話してみる。だから、もう帰って大丈夫だよ。これ以上梓くんに迷惑かけられないよ……」
うーん、とうなっていると優星が突然そんなことを言い出す。まさか、あの親父と和解しようとしてんのか?
「優星。それは無理があるぞ。あの様子じゃ、話し合いなんてできないだろう。ましてや酔っ払い相手なんて優星に何をするかわかんねぇし。今日はとりあえず俺ん家泊まれ。で、これからの事は明日考えればいぃたろ?」
「……へ?梓くん家に、泊まる……?」
優星のことを止めようとベラベラと早口で言った。だけど優星は泊まりの言葉を聞いて一気に顔を赤くする。