無自覚なまま、愛を蓄えて。

のこのこ着いてきちゃったけど、私……朝まで心臓持つかなぁ!?



「……で、早速だが」


「……はい」



1人あたふたしていると梓くんが落ち着いた口調で尋ねてくる。


私は思わず背筋をピン、と伸ばした。



「優星はなんで早乙女に追いかけられていた?それに、あの親父はいったいなんなんだ?」


「えっと……」



遠慮なく聞いてくる梓くん。


その事にどうやって説明しようかしどろもどろになる私。もうここまで来ちゃったんだもん。隠し通すなんて無理だよね。



「早乙女くんは……今日の合コンで知り合った男の子なの」


「合コンだぁ!?」


「うっ……そ、そう。友達のツテで今日合コンする予定で。でも相手のことは全く知らないで行ったの。そしたら星稜高校の男の子で、そこに……早乙女くんがいたの」


「…………」



……あー……言ってしまった。


梓くんに合コンに行っていたことを言っちゃったよ。
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