無自覚なまま、愛を蓄えて。
STELLA2
プリンスの城
『お前なんか生まれてこなければ良かった』
……やめて。
『なんでこれしか稼げない!もっと働いて俺に金を入れろ!』
バンッ。
……ごめんなさい……ごめんなさい……。
お父さんの怒鳴り声、殴る音。嫌でも耐えた苦痛の日々。なんでこんなことになったんだろう……なんでお母さんは私を置いて出ていったの?
何回お母さんを恨んだのか分からない。
でも……私には耐えるしかなかったんだ。
「……ら、ゆら……優星!」
「……梓くん?」
誰かに呼ばれて、そっと目を開けるとそこには私のことを心配そうに見ていた梓くんがいた。
ハッとして周りを見渡すと私の部屋じゃないことに気づく。しかもパジャマはブカブカで、ズボンを履いていない。
ガバッと体を起こして、布団を剥いだ。
「大丈夫か?朝起きたら優星がうなされてたから心配で」
驚いている私をよそに、冷静に梓くんがそう言った。