無自覚なまま、愛を蓄えて。
「離して〜」
顔を熱くしながら無理やり梓くんを引き剥がそうと頑張る私。
ほんとに、学校遅刻確定しちゃう!
「学校なんて行かなくていーだろ。あんな眠くて頭に入らない授業……」
「ダメダメ!私まだ無遅刻無欠席なんだから!それに、真桜にも謝らないと……」
説得しながら腕に力を込める。
だけど全く私の話を聞いてくれない。数分、梓くんと格闘するとようやく離れてくれた。
「あぁ……遅刻確定……。どーしよ、先生に怒られる……」
学校に行く準備に取り掛かり制服を着たのはいいけど完全に1限目に間に合わない。
せっかく無遅刻無欠席なのに……。
「はぁー……ったく、相変わらず優星はクソ真面目だな。俺が学校まで送ってやるから外で待ってろ」
「……送る?」
時計を見てため息をこぼしていたら梓くんが急に動き出した。送ると言い出してはてなマークが頭に浮かぶ。