無自覚なまま、愛を蓄えて。
間に合わないと思っていたからほっと一息つく。おかげでクラスメイトから注目を浴びてしまったけど、梓くんと一緒にいる時よりも全然平気。
私は、上がった息を整えながら自分の席へ着いた。
「……優星、おはよう。昨日、あの後大丈夫だった?」
カバンから教科書類を取り出していると、こっそりと前の席に座っている真桜に話しかけられる。
心配そうに私を見てきて、なんだか申し訳ない気持ちになる。
そういえば、昨日メッセージの返信をしないまま寝てしまった。スマホの充電器も家に置きっぱだから充電も瀕死状態。
どっちにしろ返信出来なかった。
「おはよう。大丈夫だったよ。真桜も大丈夫だった?」
先生が来てホームルームが始まったけどそれを無視して、気づかれないように話す。
私は大丈夫だったけど残された真桜たちの方が心配だった。
「うん……優星が帰ったあと早乙女くんが追いかけたから心配で。ごめんね。なんかヤバい合コンに誘っちゃって」