無自覚なまま、愛を蓄えて。
ーキーンコーンカーンコーン……。
なんとか今日の分の授業を乗り切った。授業終了のチャイムが学校に鳴り響く。カバンの中身は昨日のままだったので教科書とか不安だったけど案外なんとかなった。
「優星ー!今日はバイト?」
「うん。バイトだけど、その前によらなきゃ行けないとこあって……」
授業が終わるなり、すぐに真桜に話しかけられた。私は、バイトの予定が入っていて急がなきゃいけない。
だけど梓くんとの約束を思い出した。
「寄らなきゃ行けないとこ?」
「うん。だから、急がないと……」
「「「キャーー♡♡」」」
バイトもあるし、梓くんとの約束もあるし、急ごうと思って席を立った。だけど、その時、なんだか廊下からすごい悲鳴が聞こえた。
「ヤバい!なんで今日プリンス様がいるの!?」
「しかもここ、1年の階だよ?実物生で見ると意識飛びそう……」