無自覚なまま、愛を蓄えて。
なんて、現実逃避のような思考回路に陥る。
「まぁまぁ。ところで、俺たち、優星ちゃん?に用事があるの。しばらくこの子借りていーい?」
げっ。何そのイケメンスマイルは!?
真桜と私を引き剥がそうと、茶髪のクルクルの人はにっこりと微笑む。
彼からはイケメンオーラしか感じなくて、その場にいたクラスメイトはおそらく全員目がハートになっているだろう。
「も、もちろんです♡どーぞどーぞ♡」
「げっ。真桜!?」
「ありがとう……真桜ちゃん!」
その証拠に真桜は今にも失神しそうな勢いで私を彼に差し出した。そして、彼が真桜の名前を呼んだ瞬間、キャーとどこかへいってしまった。