無自覚なまま、愛を蓄えて。
お、恐るべし、イケメンスマイル……。
「さ、早く屋上に行こう。みんな待ってるよ?」
「う、うん……」
この状況についていけなくなった私は、流されるままに梓くんたちと教室を出ていく。
その間、クラス中の……いや、学校全体の視線を感じるほど、私を見る目が痛かった。
……ああ、こうなることを避けたかったから、梓くんと関わらないようにしていたのに……。
何も考えないようにしながら、私は屋上まで歩いていった……。
「「「…………」」」
屋上に着くまで無言な私たち。
何を話したらいいか分からなくて視線を下に落とす。