無自覚なまま、愛を蓄えて。
学校の女子たちはこの話題でいつももちきり。“冷酷プリンス”と呼ばれる梓くんは、本当に王子様みたいな存在なのだ。
「まぁ、その話はとりあえず置いとけ。ほら、とっとと入るぞ」
「ウーッス」
茶髪の人と話してると梓くんが何故か私の手を取り、ドアを開ける。その事にドキドキしながら着いていく。
初めての学校の屋上。
いったいどんな景色が待っているのだろうか。そして、どんな人たちと梓くんは過ごしているのか。
少し……ほんの少しだけ、期待の気持ちを持ちながらドアの向こう側を見た。
「おっせーよ。梓」
「わりー。女子がうるさくてよー。優星のこと迎えいってたら遅くなったわ」
「あ、その子が噂の優星ちゃん?」
期待を込めて顔を上げると屋上には……キラキラと輝く集団が。
この3人だけでも目を見張るほどイケメンな人たちなのに、同じくらい顔が整った男子が集まっている。