無自覚なまま、愛を蓄えて。
みんなはみんなで興味津々で優星を見てるし。
「ねーぇ。あの梓くんを夢中にさせるっていったいどんなこなの?君はどういう人間?」
「えっ、えっと……わ、私は、梓くんとは幼なじみで……あっ、私の名前は月影優星です!」
1番興味津々の千弦に押され、たどたどしくなる優星は、思考回路が固まってるのか自分の名前を元気よく言っていた。
……おいおい、こんなんでこれから優星はやってけるのかよ。
異性に耐性はないとわかっていたけどまさかここまでとは。
「優星ちゃんって呼ぼうかなー」
「おい、千弦。その辺にしとけ。梓に殴られるぞ」
「ヘーキだって。そんな嫉妬深くないでしょ?みんなの王子様だからねー」
千弦の言葉にピクっと反応する。
この俺がみんなの王子様?冗談じゃない。
俺は優星の王子様。こいつ、俺の事試してるな。
千弦の態度にイライラしていると急に優星の体が傾く。