無自覚なまま、愛を蓄えて。

「わっ!」


「ね、優星ちゃん。梓くんじゃなくて俺を選びなよ」


「へ!?」



いつの間にか優星は千弦の腕の中にいて、耳元で囁いていた。その事に驚いてるのか、顔を赤く染める優星。


その光景を見て、ズキッと胸が痛む。


……くそっ。



「俺の優星に触んじゃねーよ!」



ーグイッ。


気づいたら優星と千弦を引き剥がし、優星のことを腕の中に閉じ込めていた。ハットした時には、もうみんなが驚いていて。


優星は赤い顔をさらに赤く染めていた。



「あ、梓くん……あの……」


「ひゅーう、やるねー」


「あの梓が嫉妬……?なんだ、この子は……いったい何ものなんだ?」



冷やかす千弦、何かを考察する理人。顔を赤くする優星。慌てる俺。


このカオスな状況の中、頭を必死で働かせる。


……何やってんだ、俺は。


こんなことするために集まったわけじゃねーだろ。情けねーよ。
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