無自覚なまま、愛を蓄えて。

「う、うるさい!ほら、とっとと優星に説明しろ!バイトあるらしいから手短に!」



ずっとクールでやってきたのにこのままじゃ台無しだ。優星にも変に思われただろう。


優星を離そうと、腕の力を弱めた。


だけど……それをさせまいと強く握られる。その事にドキッとし、顔を恐る恐る除くと……。



「……ゆ、ら?」


「み、見ないで!」



腕に顔を押し付けてる優星が。


その仕草が可愛くて思わず抱きしめたい衝動に駆られたけどグッとこらえる。



「……見せつけんなよ、王様」


「そーだ。とっとと話進めるぞ」



みんなのつぶやきが聞こえなくなるくらい俺は浮かれていたらしい。その後のことはよく覚えていなかった。



「優星、大丈夫か?」


「う、うん……それより、梓くんちにお世話になっていいの?それに、暴走族のことも……私、変なのに絡まれちゃって……」



話し合いが無事に終わり、優星をバイト先まで送ることになった。
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