私の旦那様には3つの顔がありました!?




 娘が好きでもない男と結婚するのに何が嬉しいのか。



「だって、お母さん達はずっと灯の横にいてあげられなかったでしょう?」
「そんなことは……。」



 “ないですよ。”なんて言えない。言う気も起きない。



「だから、これからずっと隣にいてくれる人が灯に出来ると思うとすごく良かった…って気持ちになるの。」



 お母様の目には涙が浮かんでいた。
 正直、自分勝手なんじゃないかしら。
 とは思ったものの、お母様への嫌悪感…というかそういうものは少し、ほんの少しだけわたしの中から消えていた。



「……そんなことを思ってくださっていたのですね。ありがとう、お母様。」
「いいのよ、灯。」



 お母様とはたから見たら仲良しな親子の会話をしていると、なぜか銀葉財閥の総帥、つまり銀葉湊のお父様がわたしたちの前にある椅子に座った。


 え……?
 ということは、まさか……!



「さっきぶりだね、灯さん。」



 そこに現れたのは……186cmの高身長、ミルクティベージュに染められたストレートマッシュ。そして綺麗な青色の瞳。



「ぎ、銀葉湊……!?」



いつもの黒縁眼鏡を外した、わたしの好きな人が立っていました。









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