私の旦那様には3つの顔がありました!?
「み、湊が笑うの初めて見た……かも。」
「まぁ、いつもはあんなんだしね、俺。笑うキャラじゃないでしょ。」
頬杖をついて笑ったかと思えば、次は机に突っ伏している湊。
「学校では黒縁眼鏡の銀葉湊とさっきみたいな王子様の銀葉湊?」
「そうそう、無意識だけどね〜。……ってか、俺のこと王子様みたい!とか思ってたんだ?」
わざわざ倒していた体を起こしてまで、わたしのことをからかおうとしてくる。
こんな様子じゃ既にわたしの気持ちがバレているのでは……。
「そ、それは……。た、ただの比喩表現よ!」
「…ふーん。ま、灯が俺のことかっこいいとか思うわけないもんな」
「なによ、いきなり。」
「だって灯、好きな人いるんでしょ?」
「へ……?」
いきなり何をいうかと思えば、わたしに、好きな人がいる…んでしょ?
いやいやいや、います。いますけど……!
それに、なんだかニヤニヤしてるのも気に食わないわね。
「たまたま聞いちゃったんだよね〜。放課後生徒会室の前で灯と橋乃下さんが恋バナしてるところ。」
「へ、へぇ……そ、そうだったのね…。」
湊が自分のことだと気づいていない、ということはセーフということだろう。
「ならさ、俺と結婚していいの?本当に。」