私の旦那様には3つの顔がありました!?
さっきまでニヤニヤしてきた顔とは一気に変わって今度は真面目な顔。
いつもわたしが見ている学校での銀葉湊、わたしが最初に好きになった銀葉湊。
多分、湊はわたしのことを思ってそう言ってくれているんだなって直感でそう思った。
「……今ならまだ間に合うけど。」
「いいの。わたしは湊と結婚するわ。」
「好きな人がいるのに?」
「…ええ、いるわ。6年間片思いしているくらいには大好きよ。」
そうよ。6年も片思いしていたの。
大好きな相手と結婚できるのに、結婚をやめるわけがないでしょう?
わたしだってできることなら好きな人、銀葉湊と結婚したいわよ!
「じゃあ、なおさら…」
「だって、わたしが好きなのは……銀葉湊、あなたなのよ。」
「……は?」
「それなら、文句はないわよね!?」
「あ、ああ……うん、ないけど。」
湊がただでさえ大きくて綺麗な青い瞳をさらに大きく見開いて驚いている。
「そういうことなの。それじゃあ、わたしは先に帰るわね。ご機嫌よう、湊。」
「婚姻届、サインしないの?」
あ……、わたしとした事が……。
「か、書いてから帰るのよ…!」
こうして思いもよらないタイミングで、わたしは銀葉湊に告白をしたのだった。