私の旦那様には3つの顔がありました!?




 そ、そうだったわ。
 わたし、湊と結婚したんだった。
 結婚したということは、わたしたちの家柄的にも離婚はできないし、もちろん湊とそういうことをする……かもしれなくて。

 桔梗ったら、まさかそれを狙って……!?



「なんで、顔真っ赤?」
「い、いや。そんなわけ……。」



 想像をしているわけでもないのに、意識し出したら止まらない。



「あ。わかった。俺のこと好きなんだもん、そりゃあ意識しちゃうよね?」
「い、意識なんて一体なんの……!」
「なんのって、えっちな事とか?」



 慌てふためいているわたしをからかうように、ニヤニヤした湊がわざと耳元に口を寄せてそう言ってきた。

 み、耳……!
 ていうか顔が近いのだけれど……!



「そ!そんなこと考えてなんか…!」
「考えてなんか…?」
「う、うるさい!いいじゃない!……わかっているでしょう!?あなたのこと好きなんだもの……しょうがないじゃない。」

 恥ずかしくて、顔も見られない。
 ましてや、こんなのわたしらしくないわよ……。

「ふーん……。」



 湊がそう言って、わたしの頭を後ろから寄せる。
 
 そして、気がつくとわたしと湊の距離感は完全にゼロ。
 

 わたしは、銀葉湊にファーストキスを奪われた。
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