私の旦那様には3つの顔がありました!?
彼がわたしに優しい理由
__________
「湊、起きなさい……!湊!」
時刻は朝の8時30分。
昨日の甘い時間とはうってかわって今は少しだけイライラタイム。
「遅刻するわよ!?」
「んん……。おいで…ひか……り…。」
少し目を開けて何か話し始めたと思ったらまた夢の中へ行ってしまったこの男。
たった昨日から一緒に過ごしているわたしでもわかった。
この男、とってもだらしないじゃない……!
「寝ぼけてないでおきなさ……って!ちょ、ちょっと……!」
186cmの力に勝てるわけもなく、湊のキングサイズのベットにわたしも寝転がってしまった。
「灯、あったかい。俺から離れないでよ……、寒い。」
「は、離れないでって、遅刻…するってば……。」
昨日のキスと同様、されて嫌じゃないから本気で拒めないわたし。
「……起きてるよ。俺は低血圧なの……。てか、何時?」
湊にそう言われて手元のスマートフォンを確認すると、時刻は8時35分になっていた。
「8時35分ですが。」
「それ、まじ?」
そう言って、バッと体を起こすわけではなく。
湊が言うには低血圧らしいからか、ゆっくりと体を起こして洗面所へと歩いていく湊だった。
「何時に出たらちょうどいいかしら。」
「んー。5分で学校着くし、9時すぎとかに出ればいいんじゃない?」
ホームルームが始まる9時30分より前に教室に入っていればいいから、それくらいが妥当。
「そうね。み、湊はわたしと一緒に登校するのかしら?」
「灯に合わせるよ。」