私の旦那様には3つの顔がありました!?
わたしに合わせると言われたらそれは……。
もちろんわたしは行きたいに決まっているじゃない。
けど、学園のみんなに聞かれて説明するのも面倒なのよね……。
「ほんっとわかりやすいよね、灯は。」
「わかりやすくなんかないわよ。一ミリもね。」
「だって今、俺と通学はしたいけどみんなに説明するのはめんどくさいって思ってるんでしょ。口元がムーってなってる。」
顔を洗い、歯を磨き終わった湊が寝癖をそのままにしながら着替えていた。
おまけに、口の横には歯磨き粉がついたままだ。
本当に、湊の素は無気力でちょっと間抜けでいつもとは正反対の性格だ。
て、そう言うことじゃなくて……!
「き、着替えは自分の部屋でしなさいよ…!」
「なに?俺の体気になるの?」
「き、気になるわよ!そうよ!だから自分の部屋で着替えてくれるかしら!?」
「まーた顔真っ赤にして。」
湊の上裸が見ていられなくて目を逸らしていたわたしの顔を、わざわざこちらまできたと思えば両手で包んで目を合わせてくる湊。
「灯、俺たちが結婚してること、俺の幼馴染以外には内緒にしよっか。」
「い、いいけどどうして……?」
「あ、ああ。幼馴染?2人いるんだけど、中学の時に灯とのこと知ってからずっと話してたんだよね。」
「いや、そうじゃなくて。」