私の旦那様には3つの顔がありました!?
あんな朝から時間は早く過ぎてしまって気がつけば放課後になっていた。
「き、桔梗。本当に、湊は生徒会室に今は1人なのよね」
「はい、灯。しっかりとこの目で確認しました。」
わたしたちは今、朝の件で湊に謝るためにヒソヒソコソコソと生徒会長である湊の“アジト”前に潜伏している。
アジトとは生徒会室のことで、わたしと桔梗が今勝手につけた仮定の名前。
「では、どうぞいってきてください、灯。」
「いってきてくださいとは言われても困るのだけれど!どうしたらいいのよ!」
「まず、何の件で謝りに行くのですか?」
あ。そのことを桔梗に話すのをすっかり忘れていた。
でも、なんて説明したら良いのか全くわからないわ…。
湊は好きでもない人に軽々しく可愛いだとかキスをできてしまうのね。などと言ったと桔梗に言えば…。
湊とそういう関係だと言っているようなものじゃないの!
そんなの恥ずかしくて言えるわけがない。
「そ、それは秘密よ。」
「それだとわたくしがアドバイスできることなどないのですが…。」
「それならわたしはいったいどうすればいいと言うのよ…!」