私の旦那様には3つの顔がありました!?
「なんで…ね?」
「ええ…どうしてなの?」
「そんなに気になる?」
「気になるわ。今教えてくれないとわたし、またこんなことしちゃうかもしれないわよ?」
ここまできたらもう開き直ってしまってもいいような気がしてこんなことを言った。
少しだけ湊は困ったような顔をしながらも口角を少しあげて“しょうがないか”と言わんばかりの顔をした。
少し呆れたようにも見えたけど…。
「ふーん。……俺が灯に優しくするのは灯のことが好きだからだよ。」
そう言ってわたしの様子を伺ってくる。
不安そうでもなく、ニヤニヤしているわけでもなく本当にわたしの様子を伺っている顔。
「……う、嘘に決まってるわ!そんなの…そんなわけ……。」
「へぇ?またそうやって勝手に決めつけるの?」
「だ、だって……。もしかして、これって俗に言うドッキリというものかしら……!?」
「はぁ……。」
ついにわたしを見て本当に呆れてしまった様子の湊。
湊が、あの銀葉湊がわたしのことを好きだなんてそんなことすぐに信じられるわけないじゃないの!
わたしは6年も湊に片想い……片想いじゃなかったわね、恋をしていたのに。
でも……。
「それに湊、中学3年の秋から一瞬だけ、彼女いましたわよね?」
「うん、いたよ。振られたけどね。」