私の旦那様には3つの顔がありました!?
そう、湊には中学3年の夏休み明けから高校に入るまでの少しの間“彼女”がいたのだ。
それなのに中学の時からずっとわたしのことが好きだというのは無理があるというか……。
「そ、それならずっとは嘘になってしまいますわよ?」
「嘘じゃないよ。好きじゃなくてもいい、2番目でいいからって言われて。今では後悔してる。」
あの時期、湊のファンクラブの間ではこんな話になっていた。
“真面目で几帳面な湊が半年も経たずに別れてしまうような相手とお付き合いをするわけがない、別れたのには何かどうしようもない理由あったに違いない”と。
わたしもそう思っていたから、今この話を聞いて湊についての疑問が一つ晴れた。
「そうだったのね……。湊はこんなわたしのどこをみて好きになったの?」
「うーん、ここで話すのもアレだし。とりあえず、帰ろっか。」
「え、ええ。」
そうして、わたしはまた湊に誘導されるがまま2人で暮らしているマンションへと連れて行かれるのだった。