私の旦那様には3つの顔がありました!?
そして彼女がその子を小学校まで歩いて送っていくことにしたらしい。
強気な見た目に反して、小学生に対する彼女の表情はとても柔らかく優しいものだった。
それが俺が灯に持った第一印象だった。
灯たちが曲がり角を曲がったのと同時にバスが来たから俺はそれに乗った。
学校に着いたのは10時で案の定遅刻だ。
銀杏学園が銀葉財閥の運営する学園だとはいえ、贔屓されるわけではなくもちろんしっかり怒られてしまった。
彼女、灯が学校に着いたのは俺が学校に着いてから30分後のことで、入学式が始まってからの目立った登場だった。
新品のはずの制服が少しだけ泥に汚され、白のハイソックスには、また泥のついた桜の葉が何個か付いていた。
そんな登場にもかかわらず彼女の堂々とした姿に俺はなぜだか惚れ惚れしてしまったのだった。
あれからすぐに坂藤灯が婚約者だということを知り、6年間もの間、俺は灯を見かけるたび彼女に視線を独占され、新たな一面を知っていくうちに気持ちがどんどん募っていったのだった。
そして灯が言うとおり、俺は中学3年の秋、彼女が出来た。
相手は、2人いる幼馴染のうちの1人である朝日 三月だった。
俺の誕生日の日に突然俺の部屋に現れてこう言い放った。