腹黒御曹司の一途な求婚
小芝さんは夢見る乙女のように胸の前で手を握って、キラキラと輝く目をした。
「私、出会いないかなぁってちょっと期待してるんですよぉ。あそこのエリアって、超有名なセレブとか社長とか、すごい人がいっぱい住んでるんですよねぇ。イケメン御曹司とか、うじゃうじゃいそうだし」
「……イケメンとは限らないけど、確かに旧財閥の血筋とか有名企業の御曹司とか国会議員のご令嬢とか、そういう人たちはいっぱいいたかなぁ」
かつての『同級生』を思い返して呟く。皆、揃いも揃っていいところのお坊ちゃんとお嬢様だった。
すると小芝さんがパチクリと目を瞬かせる。
「ん?美濃さん、なんか詳しいですね。お友達でもいるんですか?」
「あっ……そ、そうなの。大学の頃の友達でそこに住んでる子がいてね。そのときに色々話を聞いてたの」
何も考えないまま余計なことを口走ってしまったことに気がつく。不思議そうに見つめる小芝さんの視線から逃れるように私は嘘を吐いた。
咄嗟に取り繕った嘘を、小芝さんは特に何も思わなかったようで、話は『プレジール』のスタッフの話に戻っていく。私は彼女に聞こえないよう、そっと安堵のため息を漏らした。
「私、出会いないかなぁってちょっと期待してるんですよぉ。あそこのエリアって、超有名なセレブとか社長とか、すごい人がいっぱい住んでるんですよねぇ。イケメン御曹司とか、うじゃうじゃいそうだし」
「……イケメンとは限らないけど、確かに旧財閥の血筋とか有名企業の御曹司とか国会議員のご令嬢とか、そういう人たちはいっぱいいたかなぁ」
かつての『同級生』を思い返して呟く。皆、揃いも揃っていいところのお坊ちゃんとお嬢様だった。
すると小芝さんがパチクリと目を瞬かせる。
「ん?美濃さん、なんか詳しいですね。お友達でもいるんですか?」
「あっ……そ、そうなの。大学の頃の友達でそこに住んでる子がいてね。そのときに色々話を聞いてたの」
何も考えないまま余計なことを口走ってしまったことに気がつく。不思議そうに見つめる小芝さんの視線から逃れるように私は嘘を吐いた。
咄嗟に取り繕った嘘を、小芝さんは特に何も思わなかったようで、話は『プレジール』のスタッフの話に戻っていく。私は彼女に聞こえないよう、そっと安堵のため息を漏らした。