腹黒御曹司の一途な求婚
『俺は萌黄が好きなんだ。今すぐ結婚がダメなら、まずは俺と付き合ってほしい』
この十日間、幾度となく脳内で再生された台詞。
完璧イケメンの久高くんが、こんな人並みの私を好きだなんてにわかに信じがたい。
もしかしてからかわれてる……?でも彼がそんなタチの悪い冗談を言う人だとは思えない。
彼の熱のこもった眼差しを思い出して、自分の顔がみるみるうちに火照っていくのを感じる。
だって私は久高くんのこと――
奥底にしまいこんだはずの初恋がまたぶり返しそうになって、私はブンブンと頭を振ってそれを追い出した。
久高くんの告白が本気だろうと冗談だろうと、結局のところ私は彼の想いに応えることはできない。
はっきりそう告げるのが心苦しくて、私は卑怯にも逃げ続けることで彼が諦めるのを待っていた。
(でも、このままじゃダメだよね……)
これ以上久高くんの貴重な時間を私に費やしてもらうのは気が咎める。事情を話して、はっきり断らないと。
遅いくらいではあるけれども、ようやく決意を固めた私は緊張で少し震える手で久高くんに了承の返信を送った。
この十日間、幾度となく脳内で再生された台詞。
完璧イケメンの久高くんが、こんな人並みの私を好きだなんてにわかに信じがたい。
もしかしてからかわれてる……?でも彼がそんなタチの悪い冗談を言う人だとは思えない。
彼の熱のこもった眼差しを思い出して、自分の顔がみるみるうちに火照っていくのを感じる。
だって私は久高くんのこと――
奥底にしまいこんだはずの初恋がまたぶり返しそうになって、私はブンブンと頭を振ってそれを追い出した。
久高くんの告白が本気だろうと冗談だろうと、結局のところ私は彼の想いに応えることはできない。
はっきりそう告げるのが心苦しくて、私は卑怯にも逃げ続けることで彼が諦めるのを待っていた。
(でも、このままじゃダメだよね……)
これ以上久高くんの貴重な時間を私に費やしてもらうのは気が咎める。事情を話して、はっきり断らないと。
遅いくらいではあるけれども、ようやく決意を固めた私は緊張で少し震える手で久高くんに了承の返信を送った。