拗らせ女の同期への秘めたる一途な想い
最後にボソリと巧がため息交じりに呟いた。
それは心の底からの気持ちが声に現れていた気がした。
恋愛がめんどくさい。
巧の女性関係は全く耳にしなかったのはそういうことだったのか。
それだったら、私が告白したところで断られるに決まっている。
同期として接するだけ、巧には恋愛感情を向けてはいけないんだ。
今ある巧との関係を壊すのは絶対に嫌だった。
だから、私は自分の気持ちを封印することにした。
それなのに思いがけず、一夜を共にして身体の関係をもってしまった。
巧はめんどくさいから本気の恋愛をするつもりがないんだろう。
だから、身体だけの関係の方が都合がいいのかもしれない。
本当はセフレなんて嫌だ。
だけど、好きな人に抱かれる喜びを知り、卑怯で最低な私は身体だけでも繋がりたいと思ってしまった。
そんな関係が半年も続いている。
巧を起こさないよう、静かにベッドから降りた。
時計を見ると、六時過ぎ。
シャワーは家に帰ってから浴びよう。
無造作に落ちていた下着を身に付けていく。
服を着て、まだベッドで寝ている巧を見る。
最近、親から結婚はまだかと催促され、見合いの話も持ち掛けられるようになっていた。
もうすぐ二十六歳、母親は早く結婚して孫の顔を見せて欲しいとよく言っている。
このまま、ズルズルとセフレを続けるのもしんどくなってきた。
そろそろ潮時なのかもしれない。
私はキュッと唇を噛み、寝室を出た。